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Torrent,PSP改造、マジコン関係、PCで使える表・裏便利ツールなどネットの裏情報満載です。ほそぼそ小説書いたりもしてます

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ようやくプロローグが完成しました

まだ物語の構成もほとんど出来ていないので

書くのに時間がかかってしまいました

どうせほとんど見てくれる人はいないと思いますが

楽しんでいってくださいね

↓からどうぞ
ウタが聞こえる

悲しいのか涙声で

そんなに悲しいなら歌わなきゃいいのに

そうすればいっそ楽になれるだろ

なのにどうして止めないんだ

聞いてるこっちまで悲しくなってくるってのに

ほらまた鼻をすすった

早く止めないと自分が悲しくなるだけだぞ

それでも止めないってなら好きにすればいい

俺は所詮聞かされるだけの傍聴者にすぎないんだからな





平成××年 九月

電車の到着とともに人の波が流れ動く駅前。

緑に囲まれた田舎と違い、なんとも言い難い息苦しさがある。

とりあえず、変化の絶えない人波をテレビのCMでも見るような感覚で眺めていた。

石柱に背中を預ける。

ひやっとした冷たさが背中を通り抜ける。

「やっと、着いた」

慣れない電車の旅で主に足腰がこってしまった。

いつも家の農作業を手伝って体は鍛えていたが、それとこれとは話が別だったようだ。

「はぁ~~」

旅の疲れとこの息苦しさを例えるようなため息が口から漏れる。

「迎えが来るはずなんだけど、まだかな」

首をキョロキョロと自分でも挙動不審と思うくらいに左右に振る。

「それにしても……親父のやつ。なんで俺があんな出来損ないの都合でこんな狭っ苦しい都会に引っ越さきゃいけないんだよ」

そうそれは二週間前くらい前だった

夏休みという学生にとって至福の時を友達とともに傷をつけながら満喫していた真っ最中。

その日はちょうど鬼ごっこをしていた。

なので体中に木の枝にひっかかれた切り傷や転んで地面に擦りつけた擦り傷を付けて帰宅したカラスが鳴く夕方。

帰宅直後、母親から、

「あ、壮太。あんた2学期から東京の学校に転校になったから」

「…………えぇ―――――――――!!」

まるで体の調子が悪くて検査してみたらガンだった患者のような驚きがそのまま叫びとなって口から飛び出した。

そのまま転校直前まで反対を試みたが、既に引越し先の手続きまで済んでいたのが致命的だった。

行きたくなかったらとりあえず今までお年玉のほとんど貯金していた貯金を取り上げるというのだ。

つまり、「手遅れ」だった。

こんなの横暴だ! という俺の最後の言葉に母親からの

「あんたの足掻きは無謀だ」

なんて上手く返された日には枕を湿らせて寝たものだ。

この意にそぐわない転校の都合は全て俺の親父のせい。

手に職をつけず毎日酒を飲んでのんべんだらりとしていたあの親父がついに勤め先を見つけたという朗報が原因。

東京で印刷業関係の仕事につくと聞き、俺も卒業したら東京の大学に行きたいなと呟いていたのを知っていた母が気を利かせたのか俺に内緒で親父の就職と同時に俺の転校を決めたのだという。

あくまで俺は東京に対して憧れを抱いていただけで、すぐに住みたいなんて一言も思っていなかったし、望んでいなかった。

そう考えると原因の半分は母親のお節介のせいなのかもしれない。

まあ、反対はしたが、性格上「なるようになれ主義者」なのでそこまで恨んではいない。

むしろこの状況をいかに楽しもうかということに思考が削がれる。

「お、あれって迎えの車か?」

駅前にずらりと並ぶタクシーの列に一台だけ異色の車が停まる。

中からどこかの高校の制服らしき女子とがっちりとした体つきのカイゼル髭を携えた中年男性が降りてくる。

そのまま俺の方へスタスタと歩き出すのを見ると本当に迎えらしい。

「君が神ノ木壮太(かみのきそうた)君だね。履歴書と全く同じ顔だったからすぐにわかったよ」

履歴書と同じ顔をしてない人っているのか?

「こちらは娘の沙羅(さら)だ。仲良くしてやってくれたまえ」

俺の背中を叩きながらそう言う男性。

「あの、どちらさまですか?」

「おお、すまない。いきなり話かけておいて名前を名乗らないなんて不審者みたいだったな。私は学園長の倉敷だ。よろしく、壮太君」

「ああ……はい。こちらこそよろしくお願いします」

スッと差し出される岩石のようにゴツゴツした手。

握り合うとツボ圧し器でもあるかのような硬い手をしていた。

「ほらっ沙羅もご挨拶しなさい」

一見男と言われれば男にも見える凛々しい顔立ち、身長は俺より一センチほど小さい、切りそろえられたショートヘア。

全体から見て可愛いというよりはかっこいいという言葉が適当だろう。

「よろしく。壮太君」

同じように握手を求められ、一瞬戸惑いながらもその白い手を握った。

女の子独特の柔らかさと滑らかさが右手を包み込むような、そんな感触。

「そしてようこそ。我が南坂学園へ」
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